微笑問題

「21世紀はこうなる?」の巻
2000.12.16

A:
いよいよ21世紀になりますね。
B:
性器末ですからね。
A:
字が違う! 世紀末。
B:
それそれ。世紀末。
A:
21世紀というと、はるかかなたの未来の話だと思っていたけど、じつはもう目の前に迫っているんですね。
B:
あんまり目の前だから、前が見づらくて見づらくて。「あの、ちょっとどいてくれません?」。
A:
人間じゃねーよ! まあ20世紀もいろいろあったけど、21世紀、いったいどんな世紀になるんでしょうね。
B:
これだけ科学が進歩してますから、予想もつかないことがありそうですね。
A:
まあね。
B:
月に人間が降り立つとか。
A:
もうとっくに達成してるよ!
B:
「この一歩は小さな一歩だが、人類にとって大きな一歩である」なんてチンパンジーが喋ったりして。
A:
もうとっくに行ってるだろ! しかもなんでチンパンジーが喋るんだよ?
B:
炭鉱の事故のときのカナリアみたいに、一応様子をみるために。
A:
もうとっくにチンパンジーとか犬が宇宙に行ってるんだよ。
B:
それにしても科学の進歩は凄いですからね、そのうちペットが喋るようになりますよ。
A:
それはたしかに面白そうですね。ふだんなにを考えてるのか、知りたいですよね。
B:
猫の額に機械をつけると猫語が翻訳されたりして。
A:
そのうち本当に実現するかもしれませんね。
B:
「タマにつけてみましょうよ」ってお母さんが言って、「そうだな、たまにはタマの話も聞いてやろうか」なんてお父さんも駄洒落飛ばしたりして。
A:
ギャグが寒すぎるよ!
B:
で、いざつけてみたら、タマが「消費税は15%に値上げして福祉税にするべきです」なんて言ってたりして。
A:
猫がそんなこと考えてるのかよ!
B:
お母さんもお父さんもびっくりして、あわてて正座したりなんかして。
A:
どんな夫婦だよ!
B:
「タマは頭がいいから、今度はポチにつけてみよう」なんて、今度は犬につけたりして」
A:
犬は人間に忠実な動物ですからね。きっと人間思いのことを考えてるんでしょうね。
B:
そしたらポチが「あなたたち日本人は戦争責任についてどう考えているんですか?」なんて言ったりして。
A:
なんで社会派なんだよ! そんな犬いたら怖いよ!
B:
お母さんが「あらあらポチッたら…」とその場を笑ってごまかして、お父さんなんか慌てて新聞広げたりして。
A:
人間なんだから堂々としていればいいんだよ!まあそれにしても今はインターネットの時代。
B:
ありとあらゆるものがインターネットで買えますからね。
A:
ホテルの予約から銀行の振込、ショッピングまで、買えないものはありませんね。
B:
こいつもオレ、インターネットで買ったんですから。
A:
オレは商品かよ!
B:
ネット・オークションで落札しました。
A:
人をもの扱いするな!
B:
150円もしました。
A:
そんなに安いのかよ! いくらなんでも安すぎるだろう。
B:
清水の舞台から飛び降りるつもりで買いました。
A:
たかが150円でケチケチするな! それにしても、これからインターネットはどんどん家庭に入り込んでくるでしょうね。
B:
もう猫も杓子もインターネットですね。
A:
ホントですねえ。
B:
猫にも検索機能がついて、餌のありかを一瞬のうちに察知したりして。
A:
猫も杓子もっていうのは慣用句! そもそも猫にはもともとその能力があるだろ!
B:
ウイルスに感染したりして。
A:
だからもともとウイルスは病気なんだよ。それがインターネットの世界にも広まったんだよ。
B:
猫もこれからはネットサーフィンしたりして。
A:
意味分かんねーよ!
B:
お母さんがパスワード忘れて「パスワードを入力しないと - ワン!と吠えます」なんてエラーメッセージが出たりして。
A:
どんな猫だよ! それにしても今は携帯電話の時代。ケータイもどんどん進歩するんでしょうね。
B:
手のひらサイズになったりしてね。
A:
もうとっくになってるよ! おまえはいつの時代の人間だよ?
B:
携帯もそのうちもっと小さくなりますね。
A:
小型化の時代ですからね。パソコンもどんどん小さくなっていますね。
B:
そのうち指に乗るくらい小さくなったりして。
A:
逆に不便だろ!
B:
もうどこがボタンでどこがパネルだか分からなくなったりして。
A:
それじゃ意味ねーだろ!
B:
「たしかこの辺に落としたと思うんですけど」「あ、ありましたよ!」なんて電車の中で周りの人に助けてもらったりして。
A:
コンタクトレンズじゃねーんだよ!
B:
最近のパソコンは人間の声まで識別するんですよね。
A:
これは本当の話です。なにか喋ると、それが自動的にワープロで漢字に変換されるんですよね。
B:
そのうちパソコンもものを考えるようになりますね。
A:
そういう時代がもうすぐそこまで来ているかもしれませんね。
B:
きょうはなにを考えているかな、なんてお父さんが電源を入れたら、パソコンが「ぼくは一生うだつの上がらないパソコンのままなんだろうか…生きることの意味ってなんだろう…」なんて呟いてうなだれてたりして。
A:
どんなパソコンだよ!
B:
「平凡でもいいじゃないか」なんてお父さんが慰めて、二人で肩を抱き合ったりして。
A:
パソコンに「肩」はないだろ。
B:
肩パットは?
A:
マウス・パッドだろ!
B:
ファッションも変わるでしょうね。
A:
それはもうどんどん変わってますね。女性なんか、ミニスカートの丈はどんどん短くなってますし、キャミソールとか、肌の露出も増えてますね。
B:
そのうち、服を着ている方がダサくなりますね。
A:
それじゃ原始人だろうが!
B:
「アンタ、なにそれ!」なんて、股間に葉っぱのフレディつけた女の子が服着てる友達をバカにしたりして。
A:
なんで葉っぱのフレディなんだよ! あれは心温まる物語だろ!
B:
ルーズ・ソックスの次はルーズ・ルックス。
A:
いやだよそんなの!
B:
みんな『始め人間ギャートルズ」みたいな恰好して。
A:
もう誰もそんな漫画覚えていないよ!
B:
政治も変わるでしょうね。
A:
たしかにね。経済もバブルが崩壊して不況が続いているし、変わらざるを得ないでしょうね。
B:
だいたい内閣総理大臣を国民が選べないのがおかしいですね。
A:
たしかに、アメリカの大統領選挙は国民の直接投票ですからね。それに較べると日本は派閥争い、権力闘争の餌食になっている感じがしますね。
B:
いっそのこと、大統領制を取り入れればいいですね。
A:
それは面白いかもしれませんね。
B:
選ばれた人には「よッ、大統領!」って声かけたりして。
A:
それは昔から言ってるだろ!
B:
国会議員も多すぎますね。
A:
たしかに今、それが問題になってますね。合理化、人員削減で、衆議院も参議院も定数を減らしていく方向にありますね。
B:
いっそのこと一人にしたら?
A:
それじゃ独裁者だろ!
B:
ラクでいいぜ。議論しなくて済むんだから。
A:
だからそれはファシズムじゃねーか!
B:
田舎の人にとっては、橋を架けてくれるんなら民主主義だろうがファシズムだろうが関係ありませんからね。
A:
たしかにそういう面もあるにはあるけど。でも危険な思想だよ。
B:
選ばれた人は国民の代表、国民の象徴。
A:
それは天皇陛下だろ!
B:
天皇といえば、皇室の人たちには戸籍がないんですよね。
A:
言われてみればそうだね。
B:
住民票もない。
A:
まあそういうことになってますね
B:
税金も払わなくてもいい。
A:
そうだね。
B:
ということは基本的人権がないということですね。
A:
まあ、考えようによってはそう言えるかもね。
B:
ということは、法的な人格がないということですね。
A:
そういうことになりますね。
B:
だったら人間じゃないんだから、殺しても殺人罪には問われませんね。
A:
恐ろしいこと言うなよ! 不謹慎すぎるよ!
B:
だって法的には「人間」じゃないんだよ?
A:
たしかにそうだけど。
B:
殺しても、せいぜい「動物虐待罪」。
A:
ホントかよ!
B:
あるいは「器物破損罪」
A:
皇室の人はモノかよ!
B:
21世紀が楽しみだね。
A:
いい加減にしろ。