微笑問題

「相次ぐ爆発」の巻
2003.9.13

A:
驚きましたね、ニューヨークとカナダの大停電。
B:
またテロかって思ったよね。
A:
ブッシュ大統領が演説して、パニックは避けられましたね。
B:
「テロではありません。安心して下さい。アメリカ軍の誤爆です」。
A:
その方が恐いだろ!信号が点かないから一般市民が交通整理したり、バーなんか、冷蔵庫のビールを安く売りさばたりね。地下鉄も動かないから、仕事帰りの人でブルックリン橋がごった返してましたね。
B:
歩いて帰れるからいいよな。
A:
東京だったら、ああはいかないね。
B:
だったら最初から歩け!
A:
しょうがないだろ!人それぞれ事情があるんだよ。
B:
地下鉄の騒音で眠れないオレたちのことも考えろってんだよ!
A:
どこに住んでるんだよお前は!携帯電話も使えなくなって、公衆電話に行列ができたのは、なんだか微笑ましかったですね。
B:
若い人なんか、生まれた時から携帯しか知らないから、戸惑ってたよな。
A:
そうなの?
B:
ジョン・スミスには笑ったよ。かけかたわからなくてさ。〝受話器〟ってものを知らないから、棍棒だと思ってガンガン電話機叩いて。でも握ってみたら手にしっくりきて、「カツアゲに使えるな、コレ」って、悪知恵だけは一人前なんだよ。で、引っこ抜こうとするんだけど、コードでつながってるから抜けなくて。こういうバカに限って父親がAT&Tの重役なんだから、ほんとマヌケだよな、アメリカ人。
A:
ツッコむところが多すぎてツッコみきれねえよ!だいたいどこのどいつだよ、ジョン・スミスって!
B:
バカっぽい名前だろ?
A:
勝手に決めるなよ!
B:
でも日本だって他人事じゃないよな。
A:
そうそう。三重県のごみ固形燃料発電所の爆発に新日本製鉄名古屋製鉄所のタンク爆発、ブリヂストン栃木工場の火災と、大きな事故が続いていますね。
B:
中止された神宮花火大会の穴埋めらしいね。
A:
なわけねえだろ!爆発といえば、外務省の田中均審議官の家に爆弾がしかけられましたね。
B:
なんで爆弾ってわかったのかな。
A:
10日の朝、「国賊征伐隊」を名乗る男から朝日新聞に予告電話があったんだよ。「明日、朝日新聞東京本社に犯行声明文が届きます。さようなら」と言って一方的に切ったらしいけど。
B:
礼儀正しいね。「さようなら」ってちゃんと挨拶して。
A:
ホメてどうするんだよ!
B:
男の母親なんか、もうびっくりしちゃって。
A:
そりゃ驚くよな。
B:
「まさかうちの子が…きちんと挨拶できるなんて」
A:
そこに驚くのかよ!
B:
「ただのテロリストだと思っていたのに…」
A:
どんな親だよ!
B:
目黒区駒場の人たちは大騒ぎだったな。
A:
住宅地のど真ん中だからね。
B:
「あの遊び人の〝均さん〟が、お役人?」
A:
なんで知らないんだよ!それになんだよ〝均さん〟って!
B:
遠山の〝均さん〟。
A:
遠山って遠山文部科学大臣かよ、田中均は外務省だから関係ないだろって、ツッコむ気にもなれねえよ!
B:
石原都知事の発言も波紋を呼んでるな。
A:
「爆弾をしかけられるのも当然だ」って、街頭演説しましたね。
B:
でも、当然だよな。
A:
なんで?
B:
しかけないで、どうやって花火打ち上げるんだよ。
A:
花火大会じゃねえって言ってるだろうが!
B:
しかし、こう物騒な事件ばかり続くと安心して暮らせないよな。
A:
確かにね。
B:
こういうときこそ、しっかりしてもらいたいよな、〝樹木〟管理。
A:
〝危機〟だろ!なんで〝樹木希林〟を管理するんだよ!
B:
だって、発電所や製鉄所の人も一服する時があるだろ。
A:
そりゃあるだろうけど。
B:
テレビをつけると、樹木希林がフジカラーのコマーシャルやってるんだよ。
A:
続いてるよね、あのコマーシャル。ぼくたちが子供の頃からだから、25年くらいかな。
B:
すると安藤主任が、「久保田くん。〝きききりん〟、漢字で書ける?」って、久保田主任補佐に聞くだろ?
A:
知らねえよ!誰だよ安藤とか久保田ってのは!
B:
久保田主任補佐は、「そんなの常識です」って、紙に書くんだけど、〝樹希木林〟になってるんだよ。
A:
確かに、書けって言われると難かしいけど。
B:
安藤主任は、ほーらひっかかったって、もう得意顔で、「〝樹希〟じゃなくて〝樹木〟なんだよ」って、小鼻ふくらませちゃって。
A:
そいつらバカか!
B:
でも久保田主任補佐は、ああみえて意外に負けず嫌いだから、「なに言ってンすか主任、〝樹希〟ですよ」って、言い張っちゃって。
A:
ああみえてって、架空の人物だろ!
B:
とうとう激論に火花散らして。
A:
勝手にやってろよ!
B:
その火がタンクに引火。
A:
くだらなすぎるよ!いい加減にしろ!