TVコント大全

1997(平成9)年

志村X
フジテレビ

前年に始まった「前略ヒロミ様」の後番組。

お茶の間コントがありましたが、まったく笑えませんでした。案の定番組は短命に終わります。

でかめろん
TBS

4月1日~?。火曜深夜。出演は竹中直人。

二代目ビシバシステムと竹中直人がコントをやっていました。

超!吉本新喜劇
TBS

10月16日~?。木曜午後8時~9時。

〈死ぬ気で、東京〉がキャッチフレーズ。制作は毎日放送。関西では40年間中継されていますが、吉本新喜劇初の全国放送です。厳密にいうとコントではなく軽演劇なんですが、まあ硬いことは抜きということで…。

TBSのスタジオに百人くらいの客。舞台にセットを組んでのコント。ドリフターズ以降、ちゃんと台本に基づいて作るこういうバカバカしいコントが東京のテレビからは姿を消していました(例外は昔のとんねるずの「みなさんのおかげです」と、昨今の「SMAP×SMAP」くらいのもの)。

初回は青空荘というボロアパートの立退き騒動。掃除をしている山田花子が東野幸治の独身男の牛乳をくすねて飲みます。ほかの住人は、内場勝則と未知やすえのベタベタ夫婦(実生活でも夫婦)とゲスト出演の細川ふみえ。同じくゲストのシャ乱Qのつんくが高校の湯人の東野を訪ねて来ます。蔵野孝洋の大家が突如立退きを要求。東野は、実家に帰るという細川ふみえを味方に引き込むたみになんとか口説きたい。すると恋のキューピッド(ロンドンブーツ1号2号)が登場。矢は隣家の思い込みの烈しい女、島田珠代に刺さる。珠代は男にすがりつき、股間を指でチーンと弾く(SE入り)ギャグと、メンバーに羽交い締めにされて壁にぶつけられるのがお約束。大金持ちのお坊ちゃま、藤井隆。島木壌二の〈パチパチパンチ〉〈ポコポコヘッド〉はどこが面白いのか昔から不思議でしたが、東京の客席の反応もやはり冷たいものでした。池乃めだか(この小ささ!)がいい味を出していました。アパート前のドールハウスに起居している元大工役。ちんぴら三人は、顎が特徴的な辻本茂雄と、DonDokoDon の二人。大砲の先の風船が破裂して客席に紙吹雪が舞う。さらに号砲一発。アパートは崩壊。「きょうも平和な日だったなあ」と池乃。なんでやねん、と大騒ぎになり幕が降ります。

新喜劇の舞台には花道があります。編集のテンポがなかなか良いです。「その日の夕方」などテロップが流れ、息もつかせず、次の場面になります。最近のバラエティーはCM明けに、CMの直前の画面を数秒間戻してはじめるのが主流で、客を莫迦にしきっているのですが、そんな愚挙は犯さず、無駄なく場面を繋げてくれる。でもこの番組は短命に終わりました。吉本新喜劇は東京では受け入れられなかったということになります。