4月14日~96年3月22日。金曜深夜1時25分~55分。スペシャル番組として放送され、4月からレギュラー化されました。
コンセプトは〈オールナイトニッポンのテレビ版〉。ラジオでもタッグを組んだ高田文夫がたけしとテーブルを挟んでスポーツ新聞の記事をネタにトークを繰り広げるコーナーと、放送コードぎりぎりのアブナいコントのコーナーから成り立っていました。
コントでは、なぜかいつも海水パンツ姿の刑事をたけしが怪演した「海パン刑事」。下ネタの羅列の替え歌をたけし軍団の演奏で歌った「亀有ブラザーズ」。「中年ジェット」なんてのもありました。
12月8日~1997年11月2日。日曜午後8時~9時。出演はダウンタウン、今田耕司、東野幸治、130R、YOU、篠原涼子、松雪泰子ほか。
まず何と言っても「MR.BATER」。松本人志が白人の客、今田耕司が店の店員。「あのな、パーティー行かなあかんねん」と松本が何か注文すると、今田は最初必ずインディアンの衣装を持ってきて、松本がインディアンの踊りを踊ってノリツッコミ。次からは今田が文字通り〈ベタ〉な駄洒落で品物を持ってくる。コニャックを頼まれるとコンニャクといった具合。最後は松本が「こんな店二度と来るかァ、ボケーッ!」と叫んで帰るのがお約束。
「世紀末戦隊ゴレンジャイ」。YOUがアパートの居間で友人の篠原涼子と世間話をしていると、髑髏姿の悪役の浜田が玄関から登場。「すんませんねえ。今日もここで待ち合わせなんですわ」などと言い訳して、お約束どおり彼女を襲う。すると、襖や箪笥や窓から世紀末戦士ゴレンジャイが順番に登場。アカレンジャイは今田耕司。アオレンジャイは板尾創路。モモレンジャイは蔵野孝洋(現・ホンコン)。キレンジャイは東野幸治。最後のミドレンジャイは松本人志。ところが名前と衣装がバラバラ。「座れ!」と怒鳴る髑髏の浜田。座って説教を聞く五人。最後は説教に感謝し「ありがとうございました!「失礼します!」と五人が挨拶して去ります。
料理番組のパロディーコント。タイトルは毎回異なり「お料理ハッとしてブー!」「お料理いらっしゃい」「お料理 DAISUKI」など。アシスタントは今田耕司と篠原涼子。講師は松本演じる〈四万十川料理学園〉のキャシィ塚本(今田はなぜかいつも「四万十川料理学校」と言う)。キャシィは訳のわからない料理の説明の途中でしばしば私生活をボヤき、突然キレて、材料や器具を撒き散らして去る。
「AHO AHO MAN」。ピンチになった少年役の浜田が呼ぶとやってくる松本扮するアホアホマン。頭は七三分け、下半身はブリーフで前と後ろに汚い染みがついている(こういう下ネタが多いのがダウンタウンの特徴)。アホアホマンはアホなので、誰が味方で誰が敵か分からない。
「産卵」。東野耕司とYOUのカップルの行く先々になぜか現れる半魚人(松本)。なぜかいつも股のあいだからヌルヌルの液体と卵を垂れ流している。
「兄貴」。浜田が中小企業の有限会社〈浜田工務店〉もしくは〈浜田建設〉の社長、OLはYOU。そこへチンピラ風情の今田耕司と着物姿の兄貴分の松本が、借金の300万円を取り立てに来る。兄貴は浜田になぜか日常生活の疑問をぶつけて凄む。「東京ディズニーランドは東京にないのに東京ディズニーランドっちゅうのはどないなっとんのやあ!」など。
「オジンガーZ」。
「トカゲのおっさん」。松本がなぜかトカゲの被り物で説教する。
「ごっつええ感じ」の終了は唐突でした。
97年9月28日。プロ野球のデーゲームで二位の横浜が広島をやぶり、マジック1のヤクルトは自力優勝をかけて神宮の阪神戦ナイターに臨みます。7時からフジテレビは「ごっつええ感じ!スペシャル」を中止、ナイター中継に変えます。16-1でヤクルトが阪神を下し、二年ぶりの優勝。何も聞かされていなかった松本人志はこれに腹を立て番組をボイコット。10月5日の放送は中止、12日は7時半から9時まで、引退する片山右京のF1レースを放送。13日、「ごっつええ感じ」の正式打ち切りが決定。
10月28日号の『週刊朝日』のインタビュー「僕はいつも問題児」で松本は「芸人としてケジメをつけた」と告白。番組をヤクルト×阪神戦に差し替えるのを吉本興業は事前に知らされていたという噂が根も葉もないウソであることが判明したのですが、どうも腑に落ちないのは、「フジテレビに怒って」おり「フジテレビの番組を全部やめようかって考えたんですよ。フジテレビというものに対しての不信感だったわけですから」と言いながら、「結局、いろいろ考えて」ほかの番組―――「ひとりごっつ」―――は続けることにした、というくだり。