TVコント大全

1977(昭和52)年

ドリフ大爆笑
フジテレビ

2月8日~現在。火曜20:00~21:24。

出演はザ・ドリフターズ、沢田研二、研ナオコ、松本伊代、石川秀美ほか。

公開生放送の『8時だヨ!全員集合』とは趣を変えた、スタジオ収録によるコント。月一回のスペシャル枠。

「もしもこんな床屋がいたら」などの「もしも」シリーズが人気。いかりや長介が一般人を演じ、ほかのメンバーが非常識と不条理で迎え撃つ。最後はいかりやの「ダメだこりゃ」のひとことで終わるのがお約束でした。ほかには高木ブーがやる気のなさを全開させた「雷さま」、いかりや長介と仲本工事の「バカ兄弟」など。

オープニングとエンディングでは、横一列に並んだメンバーがさわやかな笑顔でリズムをとって歌いました。〈お茶の間〉がまだ死語ではなかった時代ならではです。

がんばれ!ピンチヒッターショー
フジテレビ

4月2日~8月20日。作者は松岡孝と高田文夫。演出は三宅恵介。プロデューサーは常田久仁子。

土曜の夜に萩本欽一が「欽ちゃんのドンとやってみよう!」でTBSの「8時だヨ!全員集合」と競い合った後、100回記念で休養に入り、4月からプロ野球のナイター中継が始まるのを受けて、半年間のつなぎとして登場したのがこの番組。出演は伊東四朗、おりも政夫、ヒゲ辻こと元阪神タイガースの辻佳紀、佐山俊二(オナラで演奏するという珍芸の持ち主)、そして東京ヴォードヴィルショー(佐藤B作、高橋がんた、魁三太郎、坂本明など)がレギュラーでした。

番組のスタイルは「欽ドン」のような視聴者参加型ではなく、〈青春〉がテーマのバラエティー。「青春コント・めざせ甲子園」では、毎回ゲストの歌手を入部させようとレギュラー陣が必死に勧誘を試みるという設定。

ディレクターの三宅恵介はこの番組を土台に「オレたちひょうきん族」を作ります。

欽ちゃんのドンとやってみよう!
フジテレビ

9月~?。

半年前に打ち切りになった同名番組が復活。目玉は、従来の葉書コーナーの他に、欽ちゃん、前川清、そして12万人の応募者から選ばれた素人による欽ドン劇団のコントでした。欽ドン劇団ではだの田舎者だったひとりの少女が〈気仙沼ちゃん〉として日本中のアイドルになりました。

たとえば時代劇のコント。気仙沼ちゃんは悪者の侍たちに囲まれて進退窮まり、オロオロします。抜き身の刀で次々と襲いかかる敵。気仙沼ちゃんは刀をただ振り回して、情けない殺陣をやります。するとなぜか敵はバッタバッタと切り殺され、当の気仙沼ちゃんが何が何だか分からないうちに勝ってしまう、というのがお約束でした。