抑鬱亭日乘

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2016年5月31日(火)

眩暈

晴れたる空に白雲多し。英語入試問題の模範解答を執筆す。午後休憩がてらいつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。暑し。輕き眩暈を覺ゆ。

2016年5月30日(月)

倦怠

雨。午後に歇む。編輯員に草稾を交附す。大學英語入試問題の模範解答と解說を執筆す。疲勞甚し。

2016年5月29日(日)

懊惱

曇天。飜譯推敲遲々として進まず。懊惱甚し。春風亭昇太司會による笑點大喜利の新囘答者はビートたけしの豫想通り林家三平なり。夜に入りて雨ふる。

2016年5月28日(土)

落語斷念

曇りて暗き日なり。名東文化小劇塲に柳家さん喬柳家權太樓二人會を聽きに行く日なれど飜譯の仕事終らず、空しく家にとゞまりぬ。胃に輕痛を覺ゆ。夜絕食。

2016年5月27日(金)

氣鬱

隂。北風雨氣を帶びて冷なり。Eテレえほん寄席に桂南なんの二人旅を聽く。午後いつもの溫泉に浴す。飜譯推敲。氣塞ぎて心地わろし。

2016年5月26日(木)

疲勞困憊

曇りて暗し。咖啡所コメダに朝飯を喫す。風雨氣を含みて溽蒸甚し。九時過豐田學舍に赴く。小試驗を行ひて後動詞現在形活用と不定語否定語を練習す。敎塲内濕氣堪難く、發汗忽ちにして襯衣を霑す。學生諸氏も蒸暑さに堪へかねしかば空調設備を作動せしめむとせしに、設定溫度二十七度にて外氣溫は二十三四度なれば運轉すること能はず。午下家にかへれば疲勞甚しく机に倚りがたし。

2016年5月25日(水)

涼風

曇りて涼風水の如し。正午河畔を步す。輕鴨二羽。戲曲推敲餘事なし。東京かわら版六月號に立川志の輔取材記事を讀む。

2016年5月24日(火)

小鷺

薄晴。飜譯推敲の作業苦心慘澹たり。然れど昨日掃除せし書齋の廣緣塵によごれず、河原鶸の啼く聲も嬉しげに、初夏の光景いぶせき抑鬱亭にてもおのづから淸心の趣あり。朝食を食ひて坡上を步す。輕鴨二羽。晡時主治醫を訪ひ藥を請ふ。歸途ことぶきの湯に立寄り一浴す。稻葉町の水田に小鷺の佇立めるを見る。

2016年5月23日(月)

推敲

晴。理髮舖に徃き歸途ロイヤルホームセンターに立寄りセキセイ鸚哥の餌を買ふ。インターバル速步を行ひたしと思へど氣溫攝氏三十度を超えしかば熱中症に罹るを虞れて家にとゞまりぬ。飜譯戲曲推敲餘事なし。

2016年5月22日(日)

オースのジョー

晴。NHK總合演藝圖鑑に春風亭一朝のたがやを聽く。語りの調子小氣味よし。BS-TBS落語硏究會に古今亭志ん輔の七段目、柳家權太樓が錦の袈裟を聽く。午下地下鐵道に乘り伏見にて鶴舞線に乘換へ大須觀音に出づ。境内を步みて商店街に入るに唐揚げ屋櫛比す。唐揚げを食べつゝ闊步する男女織るが如し。大須演藝塲に赴く。古今亭菊之丞獨演會なり。エースの錠をもじりてオースのジョーと銘打ちたり。開口一番古今亭今輔の弟子にて前座の今いち道灌を語る。一本調子なり。菊之丞目に鮮やかなる紫の着物を纏ひて赤き座布團に坐る。一席目火焰太鼓を語る。吃驚して坐り小便して馬鹿になるなのくすぐりは師匠圓菊、大師匠志ん生の語り口そのものなり。古今亭のお家藝を堪能す。中入後二席目は唐茄子屋政談なり。四時終演。家にかへれば五時なり。Eテレ日本の話藝に三遊亭歌之介が母のアンカを聽く。漫談なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席に春風亭柳橋が堀の内、東京ボーイズの歌謠漫才、立川談幸が猫の皿を聽く。

2016年5月21日(土)

喜多八を悼む

薄晴。朝日新聞に柳家喜多八の訃報あり。十七日病歿の由。去七日今池にて一朝との二人會を聽きしが最後の高座とはなりぬ。愚癡をこぼしつゝ不承々々といふ顏にて語り出し、噺に入れば次第に熱を帶び、然れど決して聲高には語らず餘韻を味はせる藝人なりき。NHKラジオ第一眞打競演に東京ボーイズの音曲漫才、ケーシー高峰の醫學漫談、立川生志の元犬を聽く。正午堤上を步す。輕鴨一羽。

2016年5月20日(金)

喬太郎の宮戶川

隂。BS-TBS落語硏究會に柳家喬太郞の宮戶川を聽く。强姦魔の造形人をして戰慄せしむ。Eテレえほん寄席に柳家〆治の子ほめを聽く。正午川邊を步す。大錦鷄菊の花咲き誇る。椋鳥の水浴びをなすを見る。午下いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。大相撲夏塲所結びの一番、全勝同士白鵬對稀勢の里戰を看る。白鵬右手にて橫面を張りてすかさず左を差し土俵際に追ひつめ、稀勢の里堪へて土俵中央に戾し反對側に押しこみしが白鵬蹈んばり、橫綱攻め續けて下手投げにて大關を轉がしぬ。

2016年5月19日(木)

完璧主義の弊害

晴後に陰。薰風嫋〻たり。咖啡所コメダに徃き朝飯を喫す。本年度初て半袖シャツを着て出勤す。每年五月は豐田學舍の入口なるナンジャモンジャの木の白き花を愛づるを樂しみとなせしに、今年は屋内滑冰場スケートリンクの周圍一帶土掘返されてナンジャモンジャの木も根こそぎ撤去されぬ。悲しむべし。現在形三人稱單數形を練習す。編輯人電子郵件を寄せて原稾を催促す。余もまた一日も早く脫稿したしと思へど生來の完璧主義災ひして筆意の如くならず。自らの手を以て自らの首を絞めるが如し。苦心慘澹たり。完璧主義は抛擲せられしとは主治醫の助言なり。有難き忠告にて余も意見を同じうする者なれど、性格を改めるは一朝一夕に參らず。

2016年5月18日(水)

ヌリアの仕事

晴。Ana Mª Arias de Cossío, Arte y reto en la escena: La obra de Nuria Espert (Ediciones Cumbres, Madrid) を讀む。八百頁を越える大著なり。吉田美枝氏のことをconocida hispanista(著名なる西班牙硏究家)と稱し、或は演出家木村光一氏の名をKochiと書くなど些か賴りなき記述もあれど瑕瑾といふべし。正午川邊を步す。龜の甲羅干しをなすを見る。

2016年5月17日(火)

呵々大笑

輕陰。蓮實重彥氏の三島賞受賞記者會見一問一答に呵々大笑す。正午川緣を步す。輕鴨二羽。背黑鶺鴒一羽。西北の風冷なり。晡時ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。稻葉町の田植やうやく始まる。便利店に立寄り國民健康保險稅を納む。

2016年5月16日(月)

一琴の金明竹

曇りて暗し。正午川端を步す。東南の風濕氣を帶びて冷なり。BS11イレブン寄席に柳亭左龍の酢豆腐、柳家一琴の金明竹を聽く。一琴は大阪生れならではの關西辯淀みなし。余この日初て金明竹の面白さを堪能したり。

2016年5月15日(日)

精勤

隂。NHK總合演藝圖鑑に春風亭一之輔の鈴ヶ森を聽く。稍ぞんざいなる高座なり。けふも英語入試問題正答の解說を書く。島根大學、岡山大學、長崎大學なり。Eテレ日本の話藝に笑福亭鶴光の五貫裁きを聽く。  夢。アメリカ。バスを降りる。バス停の裏は垂直に近い崖。人々は平気な顔をして登る。女友達に靴の紐専門店に行こうと誘われる。

2016年5月14日(土)

馬車馬

輕陰。無風。NHKラジオ第一眞打競演に三遊亭王樂の野ざらし、三遊亭金馬の代脈を聽く。正午川岸を步す。いつもの龜二匹けふも甲羅干しをなせり。母上に手を引かれし兒女堤上に佇みて指さし興味津〻たり。英語入試問題の解說を書くこと日課の如し。東北大學、首都大學東京、廣島市立大學、名古屋大學、大阪大學、香川大學、鹿兒島大學、奈良縣立醫科大學、高知大學なり。馬車馬のやうに働きぬ。

2016年5月13日(金)

修理

晴。初夏の好き日なり。名古屋工業大學、橫濱市立大學、九州大學、鳥取大學、旭川醫科大學の英語入試問題模範解答と解說を作成す。正午河畔を步す。いつもの龜一匹甲羅干しするを看る。午下シャープの修理工來宅。AQUOSブルーレイレコーダー(BD-HDW75)にリモコンを向けて操作するに矢張反應せず。リモコンの電波を檢知する本體の受光器に不調あるべしと本體の筐體を外し新品の受光器と取換へるに幸にして正しく動作したり。余がこの機器を購ひしは五年前の六月なり。この際ディスクドライブも交換せられたし、購入して五年を經ればいつ故障するやも知れず、出張修理代は定額なるが故追加料金は必要なしと云はれ、序でにドライブも交換せしむ。代金貳萬四千八拾四圓也。三年前にも内藏ハードディスク故障して交換せしことあり。晡時ことぶきの湯に赴き露天風呂に浴す。稻葉町の田圃に小鷺數羽憩へるを見る。未だ田植は始まらず。香流川沿岸は旣に田植終りて早苗靑〻として風になびけり。日曜日に錄畫し置きたるNHK總合演藝圖鑑に古今亭菊之丞の湯屋番を聽く。輕薄なる若旦那の人物像あざやかなるに加へて若旦那が妄想する妾とのやりとり、就中芝居仕立ての口調よろしく、この滑稽噺に奧行きを齎し聽き應へあり。同日錄畫せしEテレ日本の話藝に柳亭市馬の大工調べを聽く。大家を話題にする大工の頭領と職人が大家さんとさんづけにて呼ぶは些か不自然に聞ゆ。月曜三更に錄畫し置きたるBS11イレブン寄席に瀧川鯉朝の牛ほめ、瀧川鯉昇のかぼちや屋を聽く。鯉昇が演ずる與太郞は如何にも愛すべき愚者なり。渡邊淳也氏近著フランス語學の最前線3を惠與せらる。

2016年5月12日(木)

蜷川幸雄

快晴の空雲翳なし。薰風颯〻たり。咖啡所コメダに朝飯を喫す。九時出勤。鶯語をきく。先々週敎塲に置き忘れし懷中時計を受けとる。本日は迂闊にも履修者名簿を持參し忘れたり。老耄の至れるを歎ず。會話の練習を行ひ名詞の性につきて講義す。午下家にかへる。ヌリア・エスペル第三十六囘アストゥリアス王女賞藝術賞に選ばる。五時半過蜷川幸雄の訃報あり。行年八十。氏が演出せられし舞臺を最後に看たりしは平成十二年長久手町文化の家にて行はれし夏の夜の夢なりけり。

2016年5月11日(水)

本體故障

雨もよひの空なり。けふも濱松醫科大學入試問題の解說を書く。夜初更ケーズデンキより電話あり。AQUOSブルーレイレコーダー(BD-HDW75)のリモコン入荷す。直に店に赴きて購ふ。家にかへりて電池を入れ電源ボタンを押すにレコーダー反應せず。どのボタンを押しても操作すること能はず。レコーダー本體の故障なるべし。シャープの網站にて修繕を依賴す。陰雲いつか散じて五日頃の月明かなり。

2016年5月10日(火)

苦衷

曇りて暗きこと晝もなほ黃昏の如し。濱松醫科大學入試問題の模範解答解說を書く。晡時主治醫を訪ひ診察を請ふ。苦衷を告白するに完璧主義を抛擲すべしと云はる。歸途ござらつせに立寄り溫泉に浴す。雨ふる。

2016年5月9日(月)

空合

陰雨冥〻。余が胸の内を映すが如き空合なり。心地すぐれず。熊本縣立大學模範解答完成。三百五十以上の単語を用ゐる英文を書くは久しぶりなり。

2016年5月8日(日)

故障

隂。AQUOSブルーレイレコーダー(BD-HDW75)のリモコン故障す。テレビの操作はなし得るにレコーダーは反應せず。本體のボタンは全て正常に動作するなり。シャープの相談窓口に電話をかけて問合せるに、乾電池を拔きて半日放置しリモコンを初期化せしむれば直る塲合あり、直らざる塲合は販賣店にて新品を購はれたしといふ。言わるゝがまゝ半日放置したれど矢張反應せず。夜初更ケーズデンキに赴き新品を注文す。長崎大學と熊本縣立大學の英語入試問題模範解答を作成す。

2016年5月7日(土)

一朝喜多八二人會

曇りて暗し。NHKラジオ第一眞打競演に柳家花綠の二階ぞめきを聽く。けふも大分大學入試問題の模範解答及び解說を執筆す。正午堤上を步す。いつもの龜一匹甲羅干しをなせり。午下乘合自働車と地下鐵道に乘りて今池ガスホールに赴く。春風亭一朝柳家喜多八二人會なり。開口一番一朝の弟子なる前座一花堀の内を語る。一朝登塲して歌舞伎界の樂屋話を紹介し、女形役者の喧嘩また晚年の歌右衞門の逸話など披露して十八番の中村仲藏を語る。梨園と緣深き人ならではの見事なる高座なり。緞帳下りて姑く囃子鳴り、再び幕が上がると喜多八が板付きにて旣に座布團に坐りて在り。足腰不自由なるが故なれど、相貌を見て一驚を喫す。頰は瘦せこけ面長になり表情こはゞりて別人の如し。首腕脚いずれも細きこと絲の如し。何の病なるやは知らねどたゞならぬ惡疾が進行中なるは明かなり。養生せられむことを冀ふのみ。一席目は鰻の幇間なり。仲入り後三味線の松本優子高座に坐りて下手には一花が太鼓を叩き、上手に一朝立ちて橫笛を吹きて寄席の出囃子を披露す。元祿花見踊り、大漁節、中の舞、野崎などなり。喜多八二席目は竹の子を語る。トリの一朝庖丁を語る。五時家にかへる。

2016年5月6日(金)

桃太郞

隂。Eテレえほん寄席に三笑亭夢太朗の桃太郞を聽く。大分大學入試問題の模範解答作成。正午輕鴨を見むとて川原に赴くに雨ぽつ/\降り來りて歇む樣子もなかりしかば踵を囘して空しく家にかへる。午後ことぶきの湯に浴す。夜に入るも雨やまず。

2016年5月5日(木)

中村有志

空好く晴れて西北の風烈し。こどもの日祝日にて授業は休みなり。群馬縣立女子大學と島根大學の入試問題模範解答及び解說を執筆す。正午川邊を步す。いつもの龜二匹甲羅干しをなせり。輕鴨二羽。BS朝日お笑ひ演藝館に中村有志のパントマイム藝を堪能す。中村氏の默劇をテレビにて看るは數十年ぶりなり。

2016年5月4日(水)

受驗生氣分

晴。みどりの日。大學英語入試問題の模範解答を作成すること日課の如し。正午川緣を步す。輕鴨一羽。

2016年5月3日(火)

イナバとナバホの白兎

陰天。憲法紀念日。東南の風强し。午前いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。家にかへりて大學入試問題の模範解答を作成す。晡時乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて名驛に出づ。新幹線のぞみ號に乘り名古屋停車塲を發す。自由席ほゞ滿席なり。五時過靜岡驛下車。スターバックスに憩ひて後步みて駿府城公園に至り、紅葉山庭園前廣塲特設會塲に赴く。客席中央に坐るを得たり。二列前に平田オリザ氏來りて在り。六時半SPAC公演イナバとナバホの白兎を看る。開演に先立ち宮城聰氏ハンドマイクを握りて客席の前に進み出で、本作の制作動機及び構成を語らる。第一部因幡の白兎、第二部ナバホ族を初めとする北米先住民に傳はる同系統の神話、第三部はあり得べき神話の祖型なり。レヴィ=ストロースが夢想せし神話が誕生する瞬間に立合ふを得たり。八時二十分終演。雨は來らむとして來らず。九時新幹線こだま號に乘る。乘客數ふるばかりなり。名古屋驛にて下車するに烈風恰も颱風の如し。地下鐵道に乘換へ終着驛に至る頃風雨襲來す。家にかへれば夜は三更なり。

2016年5月2日(月)

勞働

薄く曇りて南風やゝ强し。門巷寂寥。宮崎大學英語入試問題の模範解答を作成す。正午川岸を步す。橋の下にきのふと同じ大小の龜二匹甲羅干しをなせり。

2016年5月1日(日)

八十八夜

舊三月二十五日。曇りて暗し。NHK總合演藝圖鑑に入船亭扇遊の浮世床を聽く。寔に楽しき高座なり。札幌醫科大學英語入試問題の模範解答と解說を執筆す。正午川端を步す。橋の下にいつもの龜二匹甲羅干しするを見る。晡時ヤマト運輸に赴きN子に食料品一箱を送る。市役所の寒暑計二十六度を示す。いかにも八十八夜に似つかはしき氣候なり。Eテレ日本の話藝に春風亭小柳枝の二番煎じを聽く。小柳枝の噺はいつ聽きても佳し。奇を衒はぬ本寸法の藝なり。