抑鬱亭日乘

 help

2014年7月31日(木)

惜敗

四時半起出づ。五時河岸を步す。靑空に白雲多し。燕四羽。輕鴨一羽。午後一時NHKラヂオ第一放送に高校野球愛知大會決勝戰、東邦對榮德の試合中繼を聞く。榮德五囘の表に一點先取せしに、その裏三點本壘打を浴び、その後互に一點づゝ入れ、二對四にて惜敗す。二時前ヤマト運輸集配所に行きS子に西瓜を送る。市役所前の寒暑計三十六度を示す。晡時編輯員M氏より執筆依賴あり。快諾す。

2014年7月30日(水)

決勝進出

薄晴。午前五時河畔を步す。今朝も老人にお早う御座いますと挨拶せらる。午後NHKラヂオ第一放送に高校野球愛知大會準決勝、榮德對中京大中京の試合中繼を聞く。榮德意外にも六對零にて完封勝利し決勝戰に進出しぬ。豪榮道大關に昇進す。

2014年7月29日(火)

きしころ

乍陰乍晴。午前五時坡上を步す。九時過あぐりん村に赴きみよし市產の西瓜を買ふ。中庭に鰻屋の屋臺あり、土用丑の日なりとて備長炭にて蒲燒を燒きゐたり。値札に一尾二千百圓とあり。折たく柴の記中卷を讀む。正午氣溫攝氏三十二度に達すれど强風吹き通ひて、書室に孤坐すれば暑からず。晡時主治醫を訪ひ藥を乞ふ。ことぶきの湯に徃き一浴す。歸途饂飩屋いなやに飰す。きしころ美味。竝盛四百圓、大盛四百六十圓。家に歸りてみよし市產の西瓜を食す。BS11藝賓館再放送に古今亭菊之丞の幇間腹、立川談幸の靑菜を聽く。

2014年7月28日(月)

水羊羹

五時半起出づ。朝風俄に冷なり。堤上を步す。ウォーキング中の老婆にお早う御座いますと聲をかけらる。家にかへりて後日本氣象協會の網站を確認するに六時の氣溫攝氏二十度なりしを知る。慈君手製の水羊羹を食す。晡時接骨醫T氏を訪ふ。關西電力の元副社長内藤千百里ちもり朝日新聞の取材に應じて、昭和四十七年より十八年に及び歷代首相に每年盆暮一千萬圓づゝ獻金したりきと證言す。同業他社も推して知るべし。この日大瀧詠一師匠の誕辰。存命ならば六十六歲なり。

2014年7月27日(日)

つゞらの間男

陰晴定らず。七時前川緣を步す。三十分步き終へて暑さのため輕き眩暈を覺ゆ。NHK總合演藝圖鑑に桂文治の鈴ヶ森を聽く。BS-TBS落語硏究會に桃月庵白酒の首つたけ、五街道雲助がつゞらの間男を聽く。正午驟雨あり、涼味襲ふが如し。

2014年7月26日(土)

らくだ

晴れたる空に白雲多し。午前七時にして氣溫早くも攝氏二十八度に達するを見て、インターバル速步は斷念す。夜中に錄畫せしBS-TBS落語硏究會に三遊亭歌武藏のらくだを聽く。マクラを振らずいきなり噺に入りぬ。看看踊りの塲面より後俄然興味を覺えしむ。晡時氣溫三十六度に昇る。

2014年7月25日(金)

苦熱

五時起出づ。快晴。六時川端を步す。ウォーキングする老人にお早うございますと聲をかけらる。昨日行ひし試驗の答案を採點す。酷熱忍ぶべからず。我が町の氣溫攝氏三十七・八度に達す。名古屋三十八・二度、多治見三十九・三度。熱中症に罹るを虞れて日中は門を出でず。昏暮いつもの溫泉に徃く。三重テレビ淺草お茶の間寄席に三遊亭歌る多が悋氣の獨樂、ロケット團の漫才、柳家權太樓の無精床を聽く。

2014年7月24日(木)

ツバメのお宿

曇りて炎蒸堪へがたし。咖啡所コメダに朝飯を喫す。九時出勤。前期の試驗を行ふ。一時頃家にかへるに慈君中日新聞の朝刊を携へて來室し、寫眞入り記事を示さる。行きつけの美容室の軒下に作られし燕の巢の記事なり。母上が店主より聞きたる談に、過日の大風により地面に落下したる雛三羽ありき。店主不憫に思ひて愛知縣廳環境課に相談せしところ、元の巢に戾さば壯健なる兄弟に蹴落とされるやも知れず、巢の鄰に別の巢を設けるがよかるべしとの返事なりしかば、カップ麵の容器を縱半分に切りて枯葉や枝を敷詰め簡易巢箱を作り、元の巢の鄰に設置するや、親鳥ふたゝび餌を運び始めたりといふ。慈君この話を聞きて感に堪へず、兩三日前中日新聞社にメールを送りて報告するに、記者直に取材して今朝三段の記事揭載されたるなり。

2014年7月23日(水)

斷食ものともせず

曇天。六時川端を步す。燕一羽。折たく柴の記上卷讀了。癸未の年十一月二十二日の夜中に地震ふといふ記述あり。加唐與三郎著日本陰陽曆日對照表を閱するに、元祿十六年なるを知る。所謂元祿關東地震なり。NHKラヂオ第一放送に大相撲名古屋塲所中繼を聞く。斷食中の大砂嵐上手出し投げにて碧山を退ける。關脇豪榮道浴せ倒しにて橫綱白鵬を破る。琴奬菊寄り切りにて日馬富士を倒し一敗を守る。

2014年7月22日(火)

盆踊り練習生

曇天。蒸暑し。蟬聲雨の如し。今朝も七時前に川に赴きインターバル速步を行ふ。對岸の坡上に七十歲ぐらゐの男ひとり盆踊りの稽古をするを見る。音樂は聞えず、たゞ默々と手足を動かしゐたり。奇觀といふべし。輕鴨の子四羽。初更接骨醫T氏を訪ふ。歸途驛前に開店せしばかりの床屋に立寄り散髮す。夜初更ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。BS11藝賓館に橘家圓太郎の火焰太鼓を聽く。

2014年7月21日(月)

James Garner

蚤起いつもの如し。曇天。ジェームズ・ガーナーの訃に接す。七時前朝風の涼しき中に河畔を步す。ジョギングする中年男多し。狗を從へ散步する者もまた少からず。輕鴨八羽。復路道の中央に鶫一羽佇立したり。書齋と睡房の塵を掃ふ。南側ベランダの朝顏の蔓凧絲にからみ日に日に伸ぶ。南より北のベランダに移せしゼラニウム深紅の花をつけたり。東海地方梅雨明けぬ。

2014年7月20日(日)

陰後に晴。朝風凉し。NHK總合演藝圖鑑に古今亭文菊の長短を聽く。午前慈君と倶にホームセンターに赴き梅を干す笊を買ふ。歸途橫井製麵所といふ店に立寄りざるうどんを食す。つゆに風味なし。一時過いつものやうに咖啡を淹れるに、慈君余の誕辰なればとてマンゴータルトを馳走せらる。FM愛知サンデー・ソングブックにビッグ・ウェイブ三十周年紀念アナログ盤を聽く。音質の向上著し。Eテレ日本の話藝に月亭八方の堀川を聽く。夕餉に鰻丼を食す。

2014年7月19日(土)

白石三昧

雨降りては又歇む。午後雷聲殷〻。半袖にては肌寒きほどなり。終日折たく柴の記を讀む。

2014年7月18日(金)

人間國寳小三治

曇天。炎暑昨日に比すれば稍忍びやすし。早朝皮膚科に徃く。歸宅して後朝飯を食す。セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君野菜サラドのブロッコリーを嬉々として啄む。草蘆裏なる燕の巢いつか蛻の殼となる。雛四羽無事に育ちて巢立しと見ゆ。晡時接骨醫T氏を訪ふ。柳家小三治人間國寳に推擧せらる。初更いつもの溫泉に往き露天風呂に浴す。歸途雨に遭ふ。

2014年7月17日(木)

前期最終授業

七時眠より寤めて寒暖計を見るに早くも攝氏二十八度を示す。咖啡所コメダに朝飯を喫す。この夏初めてアイスコーヒーを飮む。客幸にして少く、くつろぐに好適なり。本年度前期最終授業を行ふ。來週の定期試驗に備へて復習に終始せり。某老講師いつも自宅にて栽培する花を持參して講師控室の卓子に飾るなり。けふは薄黃色の大きなるダリアまた百日紅など持ち來れり。一時半歸家。氣溫三十四度を超ゆ。几案の曆を見るに明日は夏至以後三度目の庚にあたるなれば、愈〻三伏の苦熱は來りぬ。晡時暗雲俄に天を被ひ驟雨沛然として灑ぎ來りしが須臾にして霽る。西洋紀聞讀了。

2014年7月16日(水)

更新

陰晴定らず。酷熱甚し。亥の刻川端を步す。六月末日に受けたる健康診斷の結果早くも屆く。LDLコレステロールの値高きほかは異常なし。午前市役所保健課に往き自立支援醫療受給者證の更新手續をなす。路傍の寒暖計攝氏三十四度を示す。午後試驗問題作成餘事なし。

2014年7月15日(火)

ビタミンB群

蚤起連日の如し。蟬聲多くなりぬ。今朝も西洋紀聞を讀む。午前川岸を步す。川原に老夫婦あり、携へ來るビニール袋の麵麭を千切りては足元に投げるに、雀土鳩群がり、輕鴨もまた羽ばたきて川面より岸に上りたり。土鳩は人を恐れず婦人の掌より直に食ふなり。綠陰步道の夏草伸び放題に伸び、樹影いかにも夏らしくなりぬ。午後主治醫W氏を訪ひ藥を乞ふ。W氏の話に鬱病はセロトニンの減少が原因にて、セロトニンを增加せしむるにはビタミンB群と蛋白質の攝取が肝要なり、これらの物質が腦中にセロトニンを作るは睡眠中のことゝて、夕方攝取せらるべしといふ。余は兩三年前より毎朝ビタミンB群と亞鉛竝にヘム鐵のサプリメントを服し來りしが、けふより夕方服することゝす。炎熱堪ふべからず。夜初更いつもの溫泉に徃く。入口に豪風勝手に應援團と書きたる貼紙あり。時あたかも大相撲名古屋塲所開催中にて、この溫泉は豪風を應援し、勝たば翌日湯治の客にスタンプ一個進呈するといふ。幸にして昨日白星を擧げたればスタンプ一個を得たり。それにしても何故に豪風を應援するにや。力士の出身地は名古屋ならず秋田縣なり。BS11藝賓館に春風亭一朝の天災を聽く。

2014年7月14日(月)

西洋紀聞

四時過睡より覺む。NHK總合テレビに蹴球世界杯決勝、獨逸對亞爾然丁戰を見る。手に汗握る熱戰なり。罰球合戰に至るやと思はれし延長戰後半ゲッツェが決勝點を入れ獨逸優勝せり。十時川の畔にてインターバル速步を行ふこと例の如し。橋の下に輕鴨の親子五六羽川を遡るを見る。炎蒸甚し。超級市塲Hの軒下に燕の巢あり、雛四羽のうち二羽本日巢立ちぬ。眞向ひの電線に親鳥と竝びてとまり、折々飛立ちては飛行訓練を行ふ。きのふと同じ店にて新井白石全集第四卷を購ふ。再び樂天スーパーポイントを適用し代金僅百二十六圓なり。早速西洋紀聞を讀む。晡時接骨醫T氏を訪ふ。

其敎法を說くに至ては、一言の道にちかき所もあらず、智愚たちまちに地を易へて、二人の言を聞くに似たり、こゝに知りぬ、彼方の學のごときは、たゞ其形と器とに精しき事を、所謂形而下なるものゝみを知りて、形而上なるものは、いまだあづかり聞かず、さらば、天地のごときも、これを造れるものありといふ事、怪しむにはたらず

2014年7月13日(日)

古史通

五時眠より寤む。雨模樣の空なり。蹴球世界杯三位決定戰、伯剌西爾ブラジル和蘭陀オランダの試合を見る。和蘭陀三對零にて完勝す。今朝も蟬の鳴くを聞く。十時坡上を步す。復路雨はら/\と降り來れり。家にかへるに雨勢增しぬ。新井白石全集を讀みたしと思へど愛知縣圖書館を除きて近鄰の圖書館には收藏せず。然るに互聯網を檢索するに明治三十九年刊行の全集第三卷をPDF文件にせしものを下載ダウンロード販賣する店を見つけたり。賣價三百六十圓也。迷はず買物籠に入れて決濟せむとするに樂天のアカウントを用ふるを得て、而も樂天スーパーポイントを適用すること能ふなり。幸にして殘高四八六ポイントあり、その中より三六〇ポイントを使ひ、一錢をも拂はずして入手するを得たり。今泉定介編新井白石全集第三卷[吉川半七刊、明治三十九年]なり。早速古史通を繙く。

本朝上古の事を記せし書をみるには其義を語言の間に求めて其記せし所の文字に拘はるべからず上古の代に今の文字といふものはあらず先世よりして言嗣ぎ語り嗣し事を後世の人もまたいひつぎ語り嗣しのみなり

拙譯:我が国の古代のことを記す本を読むときは、意味をことばのあいだに求めるべきで、表記する文字にこだわってはいけない。古代には今の文字というものがなかった。前の時代から言い継ぎ語り継いできたことを、後の世の人もまた言い継ぎ語り継いできただけなのだ。〕

カミとはヒト也我國の俗凡其尊ぶ所の人を稱して加美といふ古今の語相同じこれ尊尙の義と聞えたり今字をカリモチふるに至りてカミと志るしカミと志るす等のワカレは出來れり

拙譯:神とは人である。我が国の習はしでは、およそ尊敬する人をみな「加美=カミ」と呼んだ。昔も今もそのことばは同じである。これは尊尚という意味らしい。漢字を仮に用いるようになって以来、「神」と書いたり「上」と書くなどのちがいが現れるようになった。〕

晡時T氏來訪。鳥羽にて釣りし鯖鷄魚いさきを贈らる。返禮に母上自製の紫蘇汁を餽る。NHK總合演藝圖鑑に鈴々舍馬櫻の子ほめ、Eテレ日本の話藝に桂米丸のを聽く。

2014年7月12日(土)

新蟬

五時床より起出づ。曇天。朝飯を食ふに始めて新蟬の鳴きいづるを聞く。門前に兒童數人蝟集して何やら相談しをれり。一人の男兒は自轉車を引き、鄰の子はキックボードに片足を乘せ、最も稚き男兒は蹈板ブレーキ二つともなき自轉車にまたがりをれり。これストライダーと稱する乘物なる由、頃日よく見かけるなり。年長とおぼしき女兒は一輪車に跨がりたり。いつの世も子供は乘物に興味津々たり。我が身を振返りても、小學一年生の頃旱冰鞋ローラースケート流行せり。世田谷區赤堤に住せし頃なれば昭和四十七年の初め頃なるべし。巳の刻堤上を步す。雲のきれ目より折々薄日さす。乾きたる風の心地よさ言ふばかりなし。振興橋の下なる中洲に輕鴨の親子憇へり。それより遠く離れて雛とおぼしき小鴨一羽ぽつんと浮びたり。群にはぐれしにや、はたまた獨立不羈の精神の持主なるにや。正午ヤマト運輸集配所に赴きS子に食料品一凾を送る。火曜夜BSプレミアムにて錄畫し置きたるゴジラ第一作數字化修復デジタルリマスター版を看る。

2014年7月11日(金)

桑原武夫

颱風八號去りて靑空に白雲多し。九時過川緣を步す。日射し强く樹影色濃し。炎暑の日は來りぬ。輕鴨の親子に麵麭屑を投げやる老夫婦あり。その頭上には燕の往來繁し。橋下の小岩に大小の龜二匹登りて甲羅干しするを見る。小さきは綠色、大きなるは茶色の甲羅なり。川鵜一羽颯爽と川面を滑るがごとく飛去りては又かへる。遠くに鳧の啼く聲を聞く。晡時接骨醫T氏を訪ひ揉み療治を乞ふ。初更いつもの溫泉に往き露天風呂に浴す。幾望の月薄紅色を呈して昇るを見る。けふも折焚柴を讀む。白石が生まれし時その父五十七歲、母四十二歲なりしを知る。文意のつかみにくき箇所は桑原武夫による現代語譯[中央公論社日本の名著十五新井白石]を參照す。

2014年7月10日(木)

折たく柴の記

今朝も六時半に寤む。BS1を見るに蹴球世界杯準決勝、亞爾然丁對和蘭陀戰は後半の途中にて無得點なり。直に雨降り初む。臺風八號鹿兒島に上陸す。咖啡所コメダに往き朝飯を喫す。惡天候の故にや客少し。自動車のラヂオにNHK-FM放送を聽くに、試合は延長戰を經しも無得點のまゝ罰球戰となり、亞爾然丁が勝利せし由、報道あり。九時豐田學舍に着く。授業は第八課のまとめを行ひ、目的格人稱代名詞の用法を練習す。敎塲内溽蒸甚し。空調は攝氏二十七度に設定して運轉中なれど、余は生來人一倍汗搔きやすき體質なれば、一限を終りて早くも襯衣は汗みどろになりぬ。一時半歸家。新宿中村屋の水羊羹を食す。新井白石の折たく柴の記[岩波文庫版]をよむ。序文冒頭の一文は拳々服膺すべきものなり。

むかし人は、いふべき事あればうちいひて、その餘はみだりにものいはず、いふべき事をも、いかにもことば多からで、その義を盡したりけり。

2014年7月9日(水)

あんみつ

六時過睡より寤む。曇天。BS1をつけるに蹴球世界杯準決勝伯剌西爾對獨逸の試合、後半途中なり。六對零にて獨逸壓倒、シュルレまた得點し七對一。終了間際にオスカルがシュートを決め一矢を報ひしが燒け石に水なり。獨逸大勝、伯剌西爾は歷史的大敗を喫す。雲氣鬱勃、溽暑蒸〻たり。朝飯を食して直に川邊を步す。曇天。氣溫旣に攝氏二十八度を超ゆ。輕鴨六羽。燕。S子より餽られし新宿中村屋のあんみつを食す。二時過中央圖書館に赴く。靴屋に立寄りて家にかへるや遠雷ひゞき、直に雨降り初む。

2014年7月8日(火)

除濕

今朝も早く目覺めたり。曇りて暴に蒸し暑し。九時川端を步す。溽蒸さながら溫室に在るが如し。けふもまた衞生組合の芝生に鳧佇立したり。輕鴨の親子も健在なり。家にかへるに暑さ堪難く、納戶より扇風機を取出す。晡刻雨はら/\と降來る。黃昏この夏始めて空調を入れ除濕す。いつもの溫泉に往き露天風呂に浴す。BS11藝賓館に橘右樂の寄席文字試演を見、柳家喬太郎のちりとてちんを聽く。

2014年7月7日(月)

短尺

蚤起。霧雨。風の冷なること小暑とも思はれず。正午雨霽れしかば川緣を步す。S橋下なる岩に輕鴨と龜竝びて憇ふを見る。衞生組合の芝生に鳧一羽中央に屹立して啼き、その聲町中に響き渡れり。歸途超級市塲Hに立寄るに七夕の竿竹立てられ願の短尺夥し。大半は兒童が書きしとおぼしく、ねこになれますようにと書きたるものあり。晡刻接骨醫T氏を訪ふ。襍稾執筆。頃日書齋にて仕事する折常に SHOUTcast のモーツァルトのピアノ專用局を背景音樂として聽くなり。内田光子彈くソナタ第七番ハ長調第一樂章アレグロ・コン・スピーリト、ソナタ第二番ヘ長調第二樂章アダージョ、ダニエル・バレンボイムのソナタ第九番ニ長調第二樂章、ソナタ第十七番變ロ長調第二樂章、ウラディミール・ホロヴィッツのアダージョロ短調などなり。三重テレビ淺草お茶の間寄席に柳家小蝠の靑菜、神田陽子の講談名人小團次、柳家蝠丸の宮戶川を聽く。小蝠は眞打昇進披露の興行なれど滑舌よからず。朝日新聞の記事に野中広務氏過日の解釋改憲閣議決定を暴擧と談ず。自民黨重鎭の正論傾聽に値すと謂ふべし。

2014年7月6日(日)

極上のあくび指南

蚤く目覺めて時計を見るに四時五十分なり。CBCテレビに蹴球世界杯準々決勝和蘭陀對哥斯達黎加コスタリカ戰を看る。哥斯達黎加の守備鐵壁のごとく、ロッベン、ファン・ペルシ、スナイデルの攻擊を悉く防御す。延長戰を經ても兩軍無得點のまゝ罰球戰となる。和蘭陀の門將クルヽに交代して二發を食止め準決勝に進出す。NHK總合演藝圖鑑にテツandトモの音曲漫才、桃月庵白酒の浮世床を聽く。十時過川端を步す。風濕氣を含みて冷なり。かくも凉しき夏は近年記憶になし。けふも橋の下にいつもの輕鴨四羽中洲に憩ひたり。少し離れて輕鴨の親子に會ふ。雛十羽ばかり。大きく育ちたり。遠き空より鳧の聲街衢に響きぬ。Eテレ日本の話藝に九代桂文樂の蒟蒻問答を聽く。興味を覺えず。晡時T氏來訪、實家にて栽培せし山桃を饋らる。BSフジ落語小僧を見る。品川亭ゆう笑の轉失氣愛嬌あり。小林亭龍之介のちりとてちん面白し。指南役古今亭文菊のあくび指南出色の出來なり。人物の演じ分け精緻にしてしかも輕みあり。黃昏細雨蕭々たり。

2014年7月5日(土)

板齒

靑空に白雲多く泛びて風涼しきこと立秋のやうなる心地す。午前川岸を步す。夜中に雨降りしとおぼしく川の水黃土色に濁りて嵩まし流れもはやし。橋の下にいつもの輕鴨四羽あり、石底の水草を啄めり。鴨の嘴には板齒ばんしといふ鋸の齒のやうなものありて、草を嚙切り水を濾すなり。白鶺鴒、燕、土鳩、雉鳩、鵯、雀。拂曉に錄畫し置きたる蹴球世界杯準々決勝伯剌西爾對哥倫比亞コロンビア戰を見る。晡下雨沛然として灑ぎ來る。

2014年7月4日(金)

各人各樣の朝

蚤起。陰天。朝風の涼しき中に河畔を步す。川原にてゴルフのアプローチショットを練習する中年の男あり。衞生組合前を過るに釣絲を垂れる老人あり。綠陰步道にては雜草の葉を寫眞機にて撮影する男あり。各人各樣の朝を迎ふ。路傍の草を見るに葉の表には昨夜の雨澄明なる滴となりて珠のごとく耀きたり。正午慈君を伴ひヤマト運輸に赴き、S子N子に自家製紫蘇ジュースほか食料品を送る。歸路農協に立寄り野菜冷麦など購ふ。晡時接骨醫T氏を訪ひ、首肩胸の揉み療治を受く。歸途理髮舖に立寄る。黃昏ことぶきの湯に往き露天風呂に浴す。三重テレビ淺草お茶の間寄席に三遊亭遊雀の粗忽長屋、神田京子の講談ジャンヌ・ダルク、古今亭寿輔の代書屋を聽く。雨來らむとして來らず。

2014年7月3日(木)

注文

陰雨空濛。咖啡所コメダに朝飯を喫す。午前授業。前半は目的格人稱代名詞の用法を講じ、後半はレストランの獻立表を配りて余が給仕人を演じ、學生諸氏は客となりて料理の注文の仕方を練習す。一時半歸家。日暮れて雨降りまさりぬ。

2014年7月2日(水)

和泉の冷麦

朝晴れ午後くもる。午前坡上を步す。輕鴨六羽。晡時困臥一時間半ばかり。夕餉に安城和泉の手延冷麦を食す。喉越し好し。

2014年7月1日(火)

この忌まはしき日を忘るまじ

舊六月五日。快晴。午前堤上を步す。日の光强く樹影色濃し。涼風颯〻たり。昨夕首相官邸前にて行はれし解釋改憲反對の示威運動には市民四萬人集ひたりといふ。午後主治醫を訪ひ藥を乞ふ。夕刻安倍内閣臨時閣議を開きて集團的自衞權行使などの容認を閣議決定す。立憲主義は蔑ろにされぬ。今夕も官邸前にて抗議の示威運動あり。夕陽赫〻たり。燈ともし頃いつもの溫泉に徃く。纎月の沈みゆくを見る。BS11藝賓館に柳家小ゑんの新作落語ほつとけない娘[作・小林由紀]を聽く。