抑鬱亭日乘

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2006年10月31日(火)

氣鬱

晴。五時四十分眠より寤む。眠りし心地せず、溜息をつき起出づ。雑誌Pの原稿を草し晝前入稿す。胃重く氣分わろし。午眠せむとすれど眠れず輾転反側して夕暮とはなれり。枕上志ん朝のお見立て、火焔太鼓を聽く。

2006年10月30日(月)

策略

筋肉痛甚し。新聞原稿三枚を草して責を塞ぐ。午睡。B印刷N氏原稿入稿豫定表を送來る。過密なれば某氏の策略によるものなるべし。胃重く眠ること能はず。エバミールを二錠飲む。

2006年10月29日(日)

足手纏ひ

テニス教室。混雑を理由にA集團を放逐され、已むを得ずB集團に加はる。水準余の力量を遥かに越ゆれば足手纏ひになるばかりなり。

2006年10月28日(土)

枕上志ん朝火事息子、厩火事、佐々木政談、夢金を聴く。上弦の月佳し。

2006年10月27日(金)

抱擁家族

曇天微風あり。大野一雄百歳の誕辰なり。枕上小島信夫抱擁家族を久振りに讀む。昭和四十年の作なれど今日讀みても人物造形古びず。

2006年10月26日(木)

惰眠

天氣聯日限りなく佳し。午前授業。三時疲労し困臥、忽ち華胥に遊ぶ。小島信夫歿。行年九十一。

2006年10月25日(水)

減藥

天氣晴朗一点の雲なし。朝病院に徃き診察を請ふ。今日よりドグマチールをやめアナフラニールとソラナックスのみ服用す。血液検査を受く。父上東京より歸らる。クインシー・ジョーンズ、スピルバーグ、アン・リー北京五輪開閉会式の文化藝術顧問に就任す。総監督は張芸謀なり。

2006年10月24日(火)

席亭辞任

晴れて風もなきに日の傾きかけしころより俄に寒くなりぬ。午後強いて筆を秉る。感興索然たり。煙草をやめ早や三週間は過ぎぬ。この間吸はんと欲せしこと一度もなし。天満天神繁盛亭の席亭岩本靖夫氏心労のあまり今月末にて辞任する由。

2006年10月23日(月)

収穫

くもりし空より小雨折々降りては歇む。西風吹きすさみて商舗の幟を動かす。父上讀書會あり東上さる。一時メディカルクリニックに徃きカウンセリングを受く。半年計十二回目にして初めて大なる収穫を獲たり。半年延長の手續をなす。

2006年10月22日(日)

商議

空どんよりと曇りて風なし。十時新幹線のぞみ號にて東上す。品川にて下車するつもりなりしかど静岡を過し頃より居眠りし、寤むれば東京驛に着かんとするなり。切符をあらためるに行先は品川ならず東京とあり。余は不覚にも東京行きの切符を購ひたり。しかも列車は品川停車せず。老耄如何ともする事能はず。地下鐵道丸ノ内線で霞ヶ関に出で日比谷線で広尾下車。南麻布CICADAにて小島氏と晝餐をなし、秋公演『Federico』のことにつき商議す。今日の献立はフェタチーズとカラマタオリーブのギリシャ風サラド、マッシュルームとチョリソーのソテー、牛リブアイステーキ、ヨーグルトとシナモンのババロア・プルーンコンポート、珈琲なり。四時店前にて別れ、四時半よりH氏との約あればふたゝび地下鐵道で東京驛に戻り、構内の喫茶店にて談笑三時間半、心づけば八時なり。八時十三分ののぞみ號にて名古屋に戻る。途次窓外雨。藤が丘驛に着けば微雨霽れ幸にして雨に値はず。十時四十五分歸宅。ばってん荒川歿。享年六十九。今夜もエバミールを飲む。

2006年10月21日(土)

チラシ

五時半起出づ。晴れて風絶ゆ。事務所『Federico』公演チラシの束を送來る。八年前のガルシア・ロルカへのオマージュに酷似す。エバミールを飲むこと昨の如し。

2006年10月20日(金)

無爲

くもりて風あり。午前三時に眠より寤む。終日困臥。藤岡琢也歿。行年七十六。エバミール1mg二錠を飲み寝に就く。

2006年10月19日(木)

意欲減退

半陰半晴。午後理髪。今月に至り讀書創作意の如くならず。夜々眠り得ず。

2006年10月18日(水)

森林公園

晴又陰。正午森林公園を散策す。公園を歩むは二月以来なり。児童遊園に幼稚園児と母の集團あり、芝生の坂をごろ/\轉がる園児尠からず。大道平池の畔に老人ありて水彩畫を描き居たり。一本の木に山雀、四十雀、目白の戲れるを見る。歸途三郷やまとの湯露天風呂に一浴す。午後意氣銷沈。

2006年10月17日(火)

刀根柿

今日も好く晴れたり。終日困臥。同窓會の日なれど體調よろしからざれば徃かず。事務所よりファックスあり、今日の毎日新聞夕刊に記事掲載さるゝといふ。夕餉の後和歌山産刀根柿を剥き食す。菊池凛子アカデミー賞助演女優賞候補に選出さる。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作バベル出演によるものなり。

2006年10月16日(月)

斷念

小春の好天氣打つゞきぬ。微恙痊えず東上斷念す。晝夜家を出ず。

2006年10月15日(日)

キジバト

快晴。風しづかなり。テニス教室の日なれど鬱酷かれば徃かず。昼餉の後書斎の机に倚るにベランダよりドスンといふ音聞ゆ。何事かと赴くにキジバトの子床に倒れて痙攣し居たり。ガラス窓には身を打擲せし跡あり。手を差伸べるに身をもたげ空調室外機の下に潜り込み、須臾にして飛び去りぬ。母上の話に今朝藤が丘驛の便所にて刃物で刺されし人ありといふ。

2006年10月14日(土)

微恙

陰。終日臥褥に在り。

2006年10月13日(金)

Bookworm

好く晴れたり。Bookworm に興ずること五時間半、百六十一万二千八百六十点の新記録を達成す。小林信彦菊池寛賞を受賞す。他の受賞者は黒柳徹子、いしいひさいち、八木書店、旭川市旭山動物園、竹中文良とジャパン・ウェルネスなり。

2006年10月12日(木)

休講

晴又陰。已むを得ず休講となす。朝日新聞をみるにイラク戰爭開戰より今年六月までのイラク人死者六十五万人に達するといふ。米國とイラクの公衆衛生学研究グループの發表するところなり。Iraq Body Count によれば五万人弱なり。

2006年10月11日(水)

休診

雨。父上を伴ひ病院に徃くに余の主治醫は休診なり。次週は休診なりと先週聞きしが失念し居たり。薬のみ受取り父上と珈琲農園に一茶す。店内満席、客みなモーニングを食す。モーニングは珈琲にトースト、サラド、玉子なり。詮方なくテラスの卓子につき雨を眺む。十時半歸宅。授業準備手につかず。夜エバミール1mgを二錠飲むも睡ること能はず、更に二錠飲む。

2006年10月10日(火)

花いちもんめ

秋晴の天氣聯日限りなくよし。晡時スタジオマルソの礒村氏来談。ロルカ採譜による民謡集のことにつきて歓晤一時間ばかり。歸られし後書斎の窓を開けるに中庭より兒童らの花いちもんめを歌ひ遊ぶ聲聞ゆ。つゞけてかごめ/\を歌ふなり。愁情禁じ難し。カバ園長西山登志雄歿。享年七十七。

2006年10月9日(月)

評判倒れ

快晴。原稿二枚を書く。拙劣我ながら見るを厭ふ。唯責を塞ぐのみ。燈刻父上母上と歩みて文化洋食亭に徃き夕餉をなす。鰹のカルパッチョは冷凍物を戻したもの、蟹のクリームコロッケも作り置きと見ゆ。雅ピロに遙か及ばず。北朝鮮地下核実験を行ふ。

2006年10月8日(日)

生ける屍

快晴昨日の如し。風絶ゆ。終日寝台に寝そべるさま生ける屍のごとし。

2006年10月7日(土)

大風

惡夢を見る。晴天烈風吹きつゞきて歇まず。大風近かるべし。睡魔に襲はるゝこと晝夜殆ど時を択はず。晝食は食さず唯昏々と睡る。

2006年10月6日(金)

浅草

雨。六時起出でゝ父上を車にて藤が丘驛に送る。睡魔如何ともする事能はず、終日困臥。讀賣新聞を見るに吉本興業十一月より浅草ときわホールにて浅草花月と銘打ち落語漫才の定期公演を始める由。活況戰前の浅草花月劇場に遠く及ばざるべし。

2006年10月5日(木)

栗の渋皮煮

雨來りてはまた歇む。空氣甚陰濕なり。中京大學後期初授業。教職員駐車場の金木犀馥郁たり。講義は二箇月半振りにて緊張し全身汗みどろになりぬ。ナンジャモンジャの木の裏に大型作業車數臺ありて地均し始る。來春完成豫定のアイススケートリンクなるべし。一時歸宅。母上三日がゝりにて栗の渋皮煮を作らる。味頗る佳し。今日より煙草を斷つ。

2006年10月4日(水)

金木犀

朝の中より秋雨降りてはまた歇む。風冷なり。病院に徃かむと車に乗るに蓄電池切れて發動機動かず。一昨日スモールライトを消忘れたり。今年四回目なり。老耄如何ともすること能はず。JAFを呼び発動機を始動せしめ、充電がてら瀬戸市内を運轉すること一時間ばかり。市中金木犀馥郁たり。西本地町の工場跡地にスーパーバローとエイデン建築さる。エイデンの隣にもう一軒店舖見えしかど何の店なるや知らず。國道沿いのあるあるマーケットいつしか廢業しDVD販賣店となりぬ。正午病院に徃き予約を変更、来週來ることとなす。

2006年10月3日(火)

惡戰苦鬪

雨後の空澄渡りて日暮にくもる。答案採点。原稿一枚書き纔に責を果す。  夢。学生食堂風のレストラン。奥のテーブルにロベルトとウィリーが座っている。目が合い立ち上がって抱擁。来日したらしい。

2006年10月2日(月)

ナカイ閉店

宿雨晴れず。螢光燈を求めんとホームセンターナカイに徃くに蛻の殻にて戸口のシャッターに去月二十四日を以て閉店せりといふ貼紙あり。近頃はカーマホームセンターの出店に伴ひ客足めつきり落ちたりき。八年前に較ぶるに本地が原の主たる商舗いづれも廢業または看板を替へたり。午後メディカルクリニックに徃きカウンセリングを受く。半年通ひたれば次回は半年を総括し今後の治療の是非を話合ふこととなす。二時半歸宅。公演チラシの文案を推敲す。

2006年10月1日(日)

電話のつゞき

風雨瀟々。虫聲全く絶ゆ。テニス教室の日なれど缺席し午前K氏の電話を待つ。K氏とは面識なし。突然電話をかけ來りし用向は、今月中旬中部支部の同窓會開かるゝ由にて是非にもお出で下さりたしとの事なり。午後筆秉るも進まず。書斎の螢光燈切れしかば取替ふ。