抑鬱亭日乘

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2001年7月28日(土)

副作用

隂。極樂の餘り風嫋々、涼味初秋の如し。
 長篠城址跡傍、南設樂郡鳳來町の湯谷温泉郷で湯治す。ナトリウム・カルシウム・鹽化物泉の湯で無味無臭、ぬめり氣殆どなし。瓢箪形の露天風呂より鬱蒼と茂る山を愛でる。空廣く展望良し。
 某大新聞で藥の副作用の記事を讀む。餘が永らく服用せしフルニトラゼパムが意識障碍や肝障碍を引起す重大な副作用ありしこと判明せりといふ。記憶力の衰へと意氣沮喪は副作用の所以なれや。

2001年7月27日(金)

若年性健忘症

隂。秋立つを待たず風爽やかにして凉し。
 書店より注文せし書籍數册屆く。されど塞ぎの蟲に取り憑かれ繙く氣力なし。DVDの映畫鑑賞も氣乘りせず。
 かつて病識覺えざれども鬱々と日を樂しまぬ頃、愛著の評論や小説を耽讀しては心の慰みとせしが、年初來いかなる讀書にも心躍らず。情緒を司る神經磨滅せしなるがためか。
 數年來の惱みの種は物忘れのひどさなり。身邊雜記を書き留めねば前日のことも忘れること珍しからず。近年「若年性健忘症」なる病、二十代後半から三十代前半の男女に曼衍するなり。些細なことが思ひ出せず、職を失ふ者少なからざりといふ。餘は記憶力の乏しさを補はんと十年來電腦で身邊雜記を書き續けてゐるが、さる腦神經外科醫曰く、電腦による筆記は若年性健忘症の治癒に效を奏せず、手書きに如かずなり。さもあらば餘は記憶強化を欲しながら圖らずも健忘症を増しやらむ。

2001年7月23日(月)

發表辭退

隂。大暑。炎蒸昨日の如し。今夏三伏の苦熱思ふべし。
 午前主治醫の診察を乞ふ。相談熟慮の上今週の學會發表辭退で合意す。忸怩たる思ひなり。微熱催しては去りまた催すを繰り返すこと三週間を過ぎる。自律神經失調ここに極まれり。
 兩親、東京より來たりし愚妹を連れて來宅。來名は寢耳に水。小生の繁忙を氣遣ひ聯絡せざりきなりといふ。久闊を詫び家族四人で夕餉を飯す。

2001年7月20日(金)

不惑迄四年

晴。海の日で巷は休日、表通りの國道行樂客の車の往來烈し。
 露天風呂で汗を流し、四十日ぶりに研究室に赴き、屆きし書類や書籍を整理す。窗邊のドラセナやアイビー等の觀葉植物枯れ果てぬ。
 三十六囘目の誕生日を迎へたり。四年後が不惑とは質の惡い冗談に覺ゆ。
 主頁の掲示板で相撲談義に花が咲く。贔屓の寺尾は今場所幕下。されど人氣はどの力士をも凌駕す。勝ち越しを切に願ふ。

2001年7月10日(火)

炎天下の力士

晴れて蒸し暑し。
 先週半ばより三七度臺の微熱下がらず倦怠感甚だし。
 午前所用あり郵便局に赴くに、浴衣姿の力士二名と遭遇す。炎天下の力士。この光景は炎暑を倍増す。「炎天下力士税」の導入を切に願ふ。

2001年7月9日(月)

復職延期

午前主治醫の診察を乞ひ、復職を來春に延期することで合意す。恢復捗々しくなければ止むを得ぬ。