舞台通信  noticias de índole cultural, sobre todo de teatro, cine y literatura

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2013年6月22日(土)

【訃報】舞台演出家ミゲル・ナロス 享年八十四
Muere Miguel Narros, un gran referente para el teatro español

スペインの舞台演出家ミゲル・ナロスが一昨日亡くなりました。享年八十四。

1928年マドリード生まれ。王立音楽朗読学校(Real Conservatorio de Mísica y Declamación)を卒業後奨学金を得てフランスに留学。帰国後は演出家のルイス・エスコバールに見込まれてマリーア・ゲレーロ劇団に入団し俳優としてデビュー。エスコバール演出、ダリの舞台美術によるホセ・ソリーリャ作『ドン・フアン』での演技でその名を知られるようになりました。演出家ホセ・ルイス・アロンソによって発掘された衣裳デザイナーとしての腕も鍛えました。

演出を手がけた作品は記事の最後に一覧表があります。古典から現代の名作まで多岐にわたります。わたくしが見たなかで印象に残るのは1987年にエスパニョール劇場で観たシェイクスピア作『真夏の夜の夢』。とりわけ舞台を所狭しと駆け回っては低い声で笑うパックを演じた俳優の演技に魅了されました。

2013年6月15日(土)

国立演劇センター 2013-2014シーズン
Un milagro de programación para el Centro Dramático Nacional

エルネスト・カバジェーロが二期目の芸術監督を務めるスペイン国立演劇センター(CDN: Centro Dramático Nacional)。予算が2007年当時に比べて半減したにも関わらず、秋に始まる新シーズンのラインナップはなかなか見応えがありそうです。

チェーホフ作『決闘』
モスクワ芸術座/バリェ=インクラン劇場/2013年9月19日~22日
フアン・カベスタニ作『扉の向こうには何もない』 Nada tras la puerta
演出:ミケル・ゴメス・デ・セグーラ/制作:CDN+トラスパソスK(バスク)/バリェ=インクラン劇場/2013年9月20日~10月20日
アルフレッド・ジャリ作『ユビュ王』
演出:デクラン・ドネラン/劇団 Cheek by Jowl/マリーア・ゲレーロ劇場/2013年9月26日~29日
アルムデーナ・グランデ作『人文地理学地図帳』 Atlas de geografía humana(再演)
演出:フアンフラ・ロドリゲス/台本:ルイス・ガルシーア=アラウス/マリーア・ゲレーロ劇場/2013年10月3日~11月17日
ワジディ・ムアワッド作『一人』
劇団オ・カレ・ド・リポテニューズ/バリェ=インクラン劇場/2013年10月4日~6日
キャロル・フレシェット作『階段突き当たりの小さな部屋』 La pequeña habitación al final de la escalera
演出:マウリシオ・ガルシーア・ロサーノ/劇団ファルフジェーロ(メキシコ)/バリェ=インクラン劇場/2013年10月10日~13日
ペレス・ガルドス作『ドニャ・ペルフェクタ』(再演)
台本・演出:エルネスト・カバジェーロ/マリーア・ゲレーロ劇場/2013年10月11日~11月24日
ストリンドベリ作『令嬢ジュリー』 Julia
演出:クリスティアン・ジャタヒ/劇団ヴェルティセ(ブラジル)/バリェ=インクラン劇場/2013年10月17日~20日
ロベルト・スアレス作『ようこそ』 Bienvenido a casa
演出:ロベルト・スアレス/劇団モロンダンガ小劇場(ウルグアイ)/バリェ=インクラン劇場/2013年10月24日~27日
Xron作『ユーロゾーン』 Eurozone
演出:Xron/劇団チェベレ(ガリシア)/バリェ=インクラン劇場/2013年10月30日~11月24日
ダニエレ・フィンジ・パスカ作『真実』 La Verità
演出:ダニエレ・フィンジ・パスカ/フィンジ・パスカ劇団(スイス)/バリェ=インクラン劇場/2013年11月8日~10日
バリェ=インクラン作『モンテネグロ』(野蛮喜劇)
台本・演出:エルネスト・カバジェーロ/バリェ=インクラン劇場/2013年11月29日~2014年1月19日
ガルシーア・ロルカ作『血の婚礼』
台本・演出:ホルヘ・エイネス/劇団テヒード・アビエルト/バリェ=インクラン劇場/2013年12月5日~2014年1月12日
ミゲル・ミウラ作『カルロータ』 Carlota
演出:マリアーノ・デ・パコ・セラーノ/マリーア・ゲレーロ劇場/2013年12月13日~2014年2月2日
ルイス・アラウーホ作『恋に落ちたカフカ』 Kafka enamorado
演出:ホセ・パスクアル/マリーア・ゲレーロ劇場/2014年1月17日~3月2日
ビセンテ・アランダ作『アマンテス(愛人)』
台本:アルバロ・デル・アモ/演出:ビセンテ・アランダ/バリェ=インクラン劇場/2014年1月24日~2月23日
フェルナンド・フェルナン=ゴメス作『あてのない旅』 El viaje a ninguna parte
台本:イグナシオ・デル・モラル/演出:カロル・ロペス/バリェ=インクラン劇場/2014年2月14日~4月6日
フアン・マヨラガ作『取材術』 El arte de la entrevista
演出:フアン・ホセ・アフォンソ/劇団グルーポ・マルキーナ/マリーア・ゲレーロ劇場/2014年2月21日~4月13日
イグナシオ・アメストイ作『ディオニシオ・リドゥルエホ、スペインの情熱』 Dionisio Ridruejo. Una pasión española
演出:フアン・カルロス・ペレス・デ・ラ・フエンテ/バリェ=インクラン劇場/2014年3月14日~4月13日
ホセ・リカルド・モラレス特集(三作品、未定)
マリーア・ゲレーロ劇場/2014年4月2日~5月25日
マリアーノ・ジョレンテ&ライラ・リポイ作『青い三角形』 El triángulo azul
演出:ライラ・リポイ/バリェ=インクラン劇場/2014年4月25日~5月25日
フアン・カベスタニ作『マクベス一家』 Los Macbeth
原作:シェイクスピア/演出:アンドレス・リマ/マリーア・ゲレーロ劇場/2014年4月30日~6月15日
シェイクスピア作『お気に召すまま』
演出:マルコ・カルニーティ/バリェ=インクラン劇場/2014年5月8日~6月15日
アルベール・カミュ作『誤解』
台本:ヨランダ・パジン/演出:エドゥアルド・バスコ/劇場:ナベス・デル・エスパニョール・マタデーロ/2013年11月22日~12月15日
フランシスコ・ニエバ作『平和』 La Paz
演出:マヌエル・カンセコ/第60回メリダ国際古典演劇祭/2014年夏

2013年6月10日(月)

【訃報】映画製作者エリーアス・ケレヘータ 享年七十八
Muere Querejeta: se va EL productor

スペインの映画製作者エリーアス・ケレヘータが他界しました。1963年に自身の製作会社を設立。その十年後、1973年に『ミツバチのささやき』でサン・セバスティアン国際映画祭の金貝賞(コンチャ・デ・オロ)を受賞。約四十年にわたって手がけた作品は名作佳作ぞろい。

ビクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』『エル・スール』、カルロス・サウラ監督の『狩り』『ママは百歳』『カラスの飼育』『我が愛しのエリーサ』(Elisa vida mía)『愛より非情』『アナと狼』、ハイメ・チャバリ監督の『幻滅』(El desencanto)、マヌエル・グティエレス・アラゴン監督の『凶暴』(Feroz)『唖よ、話してごらん』(Habla mudita)、モンツォ・アルメンダリス監督の『タシオ』『二十七時間』『クローネンの物語』、エミリオ・マルティネス・ラサロ監督の『マックスの言葉』、フランシスコ・レゲイロ監督の『また会えたら』(Si volvemos a vernos)、リカルド・フランコ監督の『パスクアル・ドゥアルテ』、フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督の『家族』『地区』(Barrio)『月曜日はひなたぼっこ』(Los lunes al sol)、愛娘グラシア・ケレヘータ監督の『通過駅』(Una estación de paso)『ロバート・ライランズ最後の旅』『七つのキャロムテーブル』(Siete mesas del billar francés)……。生涯で五十五本の作品を製作しました。

2013年6月9日(日)

アストゥリアス皇太子賞文学賞にアントニオ・ムニョス・モリーナ
Una conciencia de nuestro tiempo

今年のアストゥリアス皇太子賞文学賞はアントニオ・ムニョス・モリーナに決まりました。スペイン人の受賞者は1998年のフランシスコ・アヤーラ以来十五年ぶり。民政移管後にデビューした作家、いわゆる民主主義時代の作家として初の受賞です。

2013年6月8日(土)

ジャウマ一世三部作を映画化
Jaume I quiere conquistar el cine

アンドラ出身の作家アルベール・サルバド Albert Salvadó の小説、ジャウマ一世三部作が映画化されます。2011年にバルセロナに設立されたばかりの製作会社プリメル・シンケーナ(Produccions del Primer cinquena)のプロデューサー、ジョルディ・カルブネル氏によると、制作費は一作あたり二千万ユーロ(約25億8千万円)、三作で六千万ユーロ(約77億3千万円)、公開開始は2015年。しかしながら今のところ資金調達の真っ最中で、調達の目処が立ち次第監督を選ぶとのこと。『グラディエーター』や『ロード・オブ・ザ・リング』級の世界配給を目指すそうですが、どうなりますことやら。

カリスト・ビエイト、スイスのバーゼル歌劇場芸術監督に
Calixto Bieito se va de España para instalarse en el Teatro de Basilea

マドリードのカナル劇場で『ペピータ・ヒメネス』を上演中の演出家カリスト・ビエイトが活動拠点をスペインからスイスに移し、バーゼル歌劇場の芸術監督スタッフの一員になると発表しました。同歌劇場では2006年から定期的に仕事をしてきましたが、今月からバーゼルに住まいを移して名実ともに歌劇団の芸術監督の仕事に専念するそうです。移籍後最初の演目はフェデリコ・ガルシーア・ロルカ作『血の婚礼』の予定。その後は古代ローマの詩人ルクレーティウスの哲学詩『物の本性について』 De rerum natura を舞台化するそうです。

2013年6月4日(火)

生涯功労賞にフリエタ・セラーノ スペイン俳優組合賞
La emoción de ser actriz

スペイン俳優組合(La Unión de Actores y Actrices)が主催する第22回俳優組合賞の授賞式が昨夜マドリードのアルテリア・コリセウム劇場(Teatro Arteria Coliseum)で開催されました。生涯功労賞はフリエタ・セラーノ。

組合賞は映画、演劇、テレビの三ジャンルにそれぞれ三つずつ部門があるのですが、主演賞(protagonista)と助演賞(secundario)はいいとして、三つ目の reparto 賞をどう訳したらよいか迷います。要するに脇役のことなのですが、〈脇役賞〉ではどうも格好がつきません。でもこれ以外に思いつかないのでとりあえず〈脇役賞〉にしておきます。受賞者リストは以下の通り。

映画
部門 受賞者 対象作品
主演賞
マリベル・ベルドゥ 白雪姫 Blancanieves
アントニオ・デ・ラ・トーレ グループ7 Grupo 7
助演賞
カンデラ・ペニャ 両手にピストル Una pistola en cada mano
フリアン・ビリャグラン グループ7 Grupo 7
脇役賞
アンパロ・バロー マクトゥブ Maktub
アルフオンソ・サンチェス グループ7 Grupo 7
演劇
部門 受賞者 対象作品
主演賞
ブランカ・ポルティーリョ 人生は夢 La vida es sueño
カルロス・イポリト フォリーズ Follies
助演賞
マレーナ・アルテリオ 息子たちは眠った Los hijos se han dormido
アルベルト・ベルサル イスカリオテのユダ最期の日々
Los últimos días de Judas Iscaariote
脇役賞
アスンシオン・バラゲール フォリーズ
アルベルト・イグレシアス 二十日鼠と人間 De ratones y hombres
テレビ
部門 受賞者 対象作品
主演賞
アドリアナ・オソーレス グラン・オテル Gran Hotel
ロベルト・エンリケス イスパニア Hispania
助演賞
コンチャ・ベラスコ グラン・オテル
ペドロ・カサブランク イサベル Isabel
脇役賞
マリビー・ビルバオ 忍び寄る女 La que se avecina
ホアキン・クリメント 迷える時代の愛 Amar en tiempos revueltos
新人賞
受賞者 対象作品
エレーナ・ラヨス 笑劇と牧歌 Farsas y Églogas
アレックス・ガルシーア 死亡通知 Entre esquelas