舞台通信  noticias de índole cultural, sobre todo de teatro, cine y literatura

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2009年6月25日(木)

リュイス・パスクアル「今までサルスエラには手を出したくなかった」  Lluís Pascual: «No quería tocar la zarzuela para no estropearla»

リュイス・パスクアルがサルスエラ(スペイン版オペレッタ)を初演出中です。初日は22日(月)。小屋はビルバオのアリアーガ劇場 Teatro Arriaga。2008~2009年のシーズン最終作です。ちなみにパスクアルは2005年から2008年までこの劇場の芸術監督を務めました。

演目は「シャトー・マルゴー」 Château Margaux と、マヌエル・フェルナンデス・カバリェーロ(1835年-1906年)の「ラ・ビエヘシータ(お婆ちゃん)」 La viejecita

記事はイサベル・ウルティア記者とのインタビューがメイン。要約しますと、パスクアルがオペラ界にデビューしたのは1978年の『サムソンとデリラ』マドリード公演で、主演はプラシド・ドミンゴ。それから31年後の今年、遂にサルスエラに挑戦。これまでに何度もオファーを受けていたけれど断り続けていた、その理由は、「子どもの時の思い出を壊したくなかったから」。

幼い頃は母親がサルスエラの歌曲をよく歌って聞かせ、両親に連れられてサルスエラを観に行くことも多かった。土曜の夜に両親が連れ立って劇場に出かけ、パスクアルは伯母と家でお留守番。家で何をしていたかというと「もちろんラジオでサルスエラ中継を聴いていたよ」。

今回のオファーはアリアーガ劇場の現芸術監督エミリオ・サヒによるもので、「シャトー・マルゴー」と「ラ・ビエヘシータ(お婆ちゃん)」をやらないか、と。パスクアルは大喜び。「シャトー・マルゴー」は日曜の朝母親がいつも歌っていた歌で、「ラ・ビエヘシータ」は子どもの頃初めて覚えたサルスエラだったから。

舞台設定はラジオ中継の現場。これも幼い頃ラジオでよく聴いた個人的な体験がベース。当時のコマーシャルも入ります。コラ・カオ(スペインの粉末ココア)やオーデコロン、ソーダ水など…。

それって懐旧の情?との記者の問いには「全然」ときっぱり。「僕はカメレオンだからね」。4月から今月までカタルーニャ国立劇場で『ベルナルダ・アルバの家』を演出したばかり。「ノスタルジーに浸ってなんかいられないよ。演劇はいつも現在なんだ!」。

最後に、昨年来の〈経済危機〉の影響について。

「不思議なことに演劇界はあまり影響を受けていないんだ。マドリードでもバルセロナでもビルバオでも観客数は増加している。映画とは逆にね」

最近スペイン内戦時代の研究を読んだら当時の劇場はすし詰めだったとのこと。〈危機の時代〉には、生の、ダイレクトな体験に飢えているみたいだよ、と締め括っています。

2009年6月22日(月)

アレックス・デ・ラ・イグレシア、映画アカデミー会長に  Alex de la Iglesia, elegido presidente de la Academia de Cine

前会長のアンヘレス・ゴンサレス=シンデが今年四月に文化相になって以来空席だった映画アカデミー会長の席。アレックス・デ・ラ・イグレシア Álex de la Iglesia が選出されました。賛成票204、棄権43(会員数1100人)。副会長には監督で女優のイシアル・ボリャイン Icíar Bollaín とプロデューサーのエミリオ・ピナ Emilio Pina。四月からの約三ヶ月間、暫定的に海中の職を務めたのは映画製作者エドゥアルド・カンポイ。

任期は三年。監督業も平行して行うそうで、来年 La marca amarilla(直訳すると「黄色いマーク」) を撮影する予定。ベルギーの漫画家エドガー・ピエール・ヤコブスのコミックを実写化。スペイン・イギリス・フランスの合作。すでにキーファー・サザーランドとヒュー・ローリーの出演が決まっているそうです。

テリー・ギリアム、『ドン・キホーテ』の撮影を再開へ  Terry Gilliam vuelve al Quijote

2000年10月に撮影中止に追い込まれたテリー・ギリアムの『ドン・キホーテを殺した男』 The man who killed Don Quixote、来年撮影を再開するそうです。

企画が頓挫した背景には、予算が当初の4000万ドルが3200万ドルに減らされてギリアムは撮影本番まで主役の誰ともリハーサルができず(ジョニー・デップ、ジャン・ロシュフォール、ヴァネッサ・パラディ、ジョナサン・プライス)、ロケ地であるナバーラ州バルデーナス・レアレスの砂漠がなんと洪水で泥濘と化しセットはメチャクチャ、しかもドン・キホーテ約のロシュフォールが椎間板ヘルニアで馬に乗れなくなり…と、『地獄の黙示録』ばりのハプニング続き。その様子をドキュメンタリー作品にしたのがキース・フルトンの『ロスト・イン・ラマンチャ』(2002年)。

再開後はロケ地を変更するそうです。バルデーナス・レアレスはNATOの空軍射撃場の近くにあり、15分に一回の頻度でジェットエンジンの音が入っちゃったらしい。なぜ事前に調べなかったのか…。

物語は、ジョニー・デップ演じるロンドンの重役が17世紀スペインにタイムトリップし、ドン・キホーテにサンチョ・パンサと間違えられるというもの。

ドン・キホーテが思いを寄せるドゥルシネーア役はキャスティング中。ギリアムの理想は「二十歳の頃のペネロペ・クルス」「『ハモン、ハモン』に出ていた頃のペネロペ・クルス」だそうです。「アルゼンチン人かブラジル人をキャスティングすることになるだろうけど、スペイン人女性みたいに瞳に炎がメラメラと燃える感じがないんだよ。誰かいい人いない?」。あのロッシ・デ・パルマからも出演のオファーがあったそうで、「出演はすると思うよ。でもドゥルシネーア役じゃない」って、そりゃそうだよな。

2009年6月4日(木)

アルモドバルに名誉博士号 ハーバード大  Harvard corona a Almodóvar

本日、ペドロ・アルモドバルがハーバード大学で名誉博士号を授与されます。同大学でこれまでに名誉博士号を授かったのは2200人。ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、ジョン・F・ケネディなどの大統領からウォルト・ディズニー、レナード・バーンスタイン、フィリップ・ロスなど。スペイン人ではフアン・カルロス一世国王(1984年)、建築家ジュゼップ・リュイス・セル Josep Lluís Sert (1967年)、ジュアン・ミロ(1968年)など。